制度の周知、ハラスメント・不利益取り扱いの禁止、相談窓口の設置
1.自社の状況確認
仕事と妊娠・出産・育児との両立支援に関して、法律(労働基準法、男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法)で定められた措置や制度を整備します。自社の状況を確認してみましょう。
2.制度の周知
制度は作っただけではなく、周知することが必要です。方法としては、リーフレットの作成・配布、研修の開催、朝礼での説明等があります。全社的な周知では、制度内容だけでなく、制度導入の背景や意義等についても説明を行うことで、対象者以外の従業員の理解や協力を求めるようにします。経営層・管理職には、コンプライアンスの面から制度が正しく理解され、制度対象者が育休を取得し、復帰するための職場マネジメントが重要な責務であることを認識してもらいます。制度対象者には、処遇面を含めた制度内容の詳細や申請方法等を説明し、不明なことや不安なことがあれば相談できる窓口を案内します。
育児休業取得者にも「育児と仕事の両立への不安」があり、職場の同僚も業務量の面で少なからず影響を受けます。育児休業者が担っていた業務を職場内の非利用者でいかに分担し、円滑に進めるか、又は育児休業者代替要員の確保も必要かもしれません。職場内で制度に対する理解が得られず、利用しにくいと感じさせる職場環境にならないようにします。
一般事業主行動計画を策定届出し、公表・労働者への周知を行い、計画を達成し「子育てサポート企業」としてくるみん・プラチナくるみんの認定を受けることも有効です。介護においては「仕事と介護を両立できる職場環境」の整備促進の「ともにん」への登録を行うことができます。子育て、介護支援の取り組みをPRできます。
育児休業中の支援措置
育児休業制度の周知、利用促進のみならず、育児休業を取得中の従業員がスムーズに職場復帰できるための支援策として、会社からの情報提供、復職前面談、職場復帰支援の研修(在宅講習、職場環境適応講習、職場復帰直前講習等)などがあります。
これらの支援を行うことにより、育休取得者自身の「職場復帰できるか」「復職後に育児と仕事との両立ができるか」といった不安が取り除かれ、復職後の両立生活への見とおしが立てやすくなり、取得者自身に自発的な復帰準備を促します。スムーズな職場復帰・復帰後の生産性の高い働きは、取得者だけでなく共に職場で働く非取得者の願いでもあると思います。